小さめ美術館の森

鈴木敦子 新作展

概要

東京 不忍画廊で2017年9月5日(火)から開催された、鈴木敦子(スズキアツコ)氏の新作展です。氏は学生時代に木版画をはじめ、卒業まで油絵と並行して制作を行ってきましたが、1991年に初個展を開催し、それをきっかけに木版画制作が中心となります。

不忍画廊では10年以上前から定期的に新作展を行っており、2012年には作品集も発表されています。

展示作品

「思い出話」

カップから匂い立つ香りは、懐かしさに添えられてきらめくよう。
過ぎ去った時を思う、素敵なひと時を感じます。

「4 glasses」

上品な色を映しながら、線を描く泡。
照明から離れた窓に近い席で、ひそかにグラスが交わされているような、
そんな情景が思い浮かびます。

「sangria」

 

「お見送り」

腰掛けながら視線を送る彼らは、ぬいぐるみでしょうか。
照明を落とし、ドアノブを握りながら別れを惜しむように振り返る。
大きく広がる陰には、そんな刹那の寂しさが宿っているようです。

「夜・水・雨」
「夜の散歩」

窓からこうこうと光をあふれさせながら、影を落とす家々。
月の明るい夜は、風に当たりたくなる。
木の脇にひとり佇む犬も、そう思ったのかもしれません。

鑑賞後記

木版画が描き出す、うっすらとした淡い色合いを見ていると、ゆったりとた空気が伝わってくるようで、心まで落ち着いてきます。一枚一枚が今にも動き出しそうな絵本のようで、作品の前に立つと、地面を濡らす雨音、水中をただよう泡の音、そんな様々な音が心に響いてくるようです。

まるで一冊の本を読んでいるような、物語を感じずにはいられない展示でした。

展示情報

展示名:鈴木敦子 新作展
作家:鈴木敦子
期間:2017年9月5日(火)~9月22日(金)

展示場所:不忍画廊(月・祝日休廊)
最寄り駅:東京駅、都営浅草線 日本橋駅

所在地:東京都中央区日本橋3-8-6 第二中央ビル4F

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