小さめ美術館の森

集治千晶 個展 | Secret Box

概要

中央区 不忍画廊 小展示室で2017年10月3日(火)から開催されている、集治千晶氏の個展です。氏は銅版画や水彩など、様々な手法・素材を用いて、色彩豊かな平面作品を制作しています。90年代から京都・東京など各地で展示活動を行い、現在は出身地である京都が活動の拠点となっています。

不忍画廊での展示は今回が初。銅版画、水彩画、ガラス絵、モノタイプなどの多様な絵画に加え、人形作家、額装作家とのコラボレーション作品や初の立体作品も展示されます。

作家自らが作品の配置などの空間演出を行った、通常の発表とはことなる遊び心のあふれた展示になります。

展示のようす

ホワイトを基調とした展示空間、作品の配置などは作家自身がデザインしています。
テーブルの下部を覆う、模様の入った白布は作家が制作したものです。

「Hybrid of the Girl’s Icons」(向井理依子 額装)

今回の個展のために制作された、額装家・向井理依子氏とのコラボレーション作品です。
向井氏はフランスの額装学校で学び、額装家の仏国家資格を取得した後に帰国し、
現在は兵庫県芦屋市にアトリエを構え、額装の個展や注文制作などを行っています。

「ガラテアの手 -謎の花-」(集治千晶 x てらおなみ)

人形作家 てらおなみ氏とのコラボレーション作品です。
てらお氏は大阪で球体関節人形の教室を主宰しており、
集治氏とは今年3月に2人展を行っています。

「メリーゴーランド」

ガラス面に裏側から描くことにより、独特の奥行きのある色合いが出ています。
目を吸い寄せるようなにぎやかな色使いは、祭壇やサーカスがイメージされています

「接吻」

 

鑑賞後記

目を引き寄せる印象的な色使いは、天井から降り注ぎ交差する照明のようであり、その中で描かれる人物らしき影は、スポットライトを浴びて踊り狂うダンサーのよう。リズミカルに音楽を刻むような線は、陽気な風を心にまで吹き込むかのようです。作品を眺めていると、床を軽快に踏み鳴らす音が聞こえてきそうで、見知らの土地のサーカス小屋に足を踏み入れる……。そんな高揚感を覚えずにはいられません。

自由に飛び回る線が描くのは、レースや植物がモチーフと思われる独特な模様。奇抜な諧調表現で、感情が宿ったかのように描かれる、独立した人体パーツ。そして薄らぼんやりと染められた、幻想的な雰囲気をかもす背景。

これらが重なることにより、絵画という枠を超えた異国的な世界観が宿っていると感じました。少女たちが夢の中で出会うようなファンシーさの一方、各所には大人びた色気が漂っています。

描かれる非日常の世界に時間を忘れて引き込まれてしまうのは、独創的な絵画としての魅力は言うまでもなく、幼いころに見た夢の続きを覗いているような、そんな感覚ゆえかもしれません。

展示情報

展示名:Secret Box
作家:集治千晶(ウェブサイト
期間:2017年10月3日(火)〜22日(日)11:00~18:30
休廊:月・祝日

展示場所:不忍画廊 小展示室
最寄り駅:東京駅、都営浅草線 日本橋駅

所在地:東京都中央区日本橋3-8-6 第二中央ビル4F

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