小さめ美術館の森|東京 現代アート最新情報

eimi 個展|日曜日

展示作品

絵画に立原道造の詩歌を添えた、短歌ドローイング作品です。

解説・鑑賞後記

2017年11月に新宿眼科画廊で開催された、イラストレーター・eimi(エイミ)氏の個展です。氏は1986年生まれ。デザイナーを経てイラストレーターとなり、現在は東京を中心に活動を行っております。イベント、テレビ番組、広告、雑誌など多数のイラストレーションを手がけ、コスメブランドとコラボレーションを行うなど幅広く活躍しています。東京・大阪のほか海外でも展示活動を行い、国内外を問わず注目されています。

氏が描くのは、コンプレックスや不安な気持ちと戦っている女の子。言葉では表せない女性の繊細な感情や自分らしさをイラストで表現しています。形にならないモヤモヤとした気持ちを鑑賞者に共感してもらい、自分らしさや強さの原動力になって欲しい、という想いが込められているのです。

今回の展示は詩人・立原道造(タチハラミチゾウ|1914-1939)の詩歌がテーマとなっており、連想して描かれた作品が並びます。どこか少女らしい物語のような作風に惹かれ、あえてそこからは遠くにあるような要素(女の子・蛍光色・ピンク色など)を用いて作品が描かれました。

目を引くような鮮やかなピンク色、赤むらさき色。空間さえ明るく染めてしまうような特徴的な色合いは、イラストレーション的なモダンさと奥ゆかしいなレトロ感が合わさっているようで、唯一無二の世界観が描かれています。

視覚に鮮烈に訴える一方、服飾店のショーウィンドウを彩るような洗練された美しい雰囲気。どこか憂いを含むような横顔は、若いゆえの複雑な気持ちを内包しているようであり、しかし同時にそれらを踏み越えていくような堂々とした気高さを感じます。

気まぐれに遠くを見つめるような視線は、周囲と比べてばかりいるような世間においても、周りのことなど気にせず自分の道を進んでいく。といった想いが込められているようで、年頃ならではの力強さを感じます。

大人びた柔らかな雰囲気をもたらすグラデーション表現。しかしそのなかでも、視線を吸い寄せるように人物がくっきりとしているのは、迷いのない陰影表現と輝くような大胆な色使い。そして自らの内面と偽りなく向き合うような美しい表情によって、もたらされているのではないかと感じました。

夢の中を垣間見るような幻想的なモチーフ、奔放な気持ちを代弁するような自由で魅惑的なファッション。成長に伴う様々な感情に翻弄されながらも、真っ直ぐに歩んでいく。そんな勇気をもらえるような展示でした。

展示名「日曜日」には、同じ漢字でも違う読み方をするという線対称のような印象と、あっという間に溶け消えてしまう休日の、幻想と現実の間を浮遊するような感覚が込められています。このようなイメージが今後の作品制作のテーマになるかもしれない、と氏は述べており、今後の活動も目が離せません。

展示情報

展示名:日曜日
作家:eimi(エイミ) |ウェブサイトインスタグラム
期間:2017年11月17日(金)~11月22日(水)

展示場所:新宿眼科画廊(新宿区)
最寄り駅:東新宿

所在地:東京都新宿区新宿5-18-11

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